「経皮毒」という言葉を聞いたことがありますか?経皮毒とは、皮膚から吸収される「毒」のことで、皮膚からは毎日あらゆるものが吸収されていて、皮膚を通して化学物質などの成分が体内に浸透することを「経皮吸収」といいます。
この「経皮吸収」を利用して、治療を目的とした多くの医薬品が開発されていて、咳止めやホルモン剤、痛み止めにはシールのように体に貼る薬がすでに使われています。
健康に役立つことで利用されるのは良いのですが、身体に悪い成分も皮膚から体内に浸透することがあります。
経皮毒の問題は、肝臓の代謝を受けにくいために、体内に取り込まれると90%が蓄積してしまうことにあります。
経費毒は何故90%も蓄積するのか
薬や食物など、口から体内へ入ったものはすべてが一度肝臓に運ばれて、そこで分解され胆汁から腸へ排泄、または腎臓を通って90%が排泄されます。その一方で、皮膚から浸透した化学物質などの成分はそのまま体内の脂肪組織に蓄積されるので、肝臓などの代謝を受けることなく、体内に溜まってしまうのです。
各国の危険についての考え方
合成化学物質で体に悪影響があり危険とみなされているものは、日本が約100種類、アメリカは約800種類、EUは約4000種類、各国の「危険」についての考え方の違いが数字に表れています。
どんなものが吸収されやすいのか
皮膚の表面には角質層というバリアがあり、大きな分子は通過できません。しかし、シャンプーや洗剤などに含まれる界面活性剤をはじめ、日用品に含まれる化学物質は極めて分子が小さいため、簡単に皮膚を通り抜けてしまいます。
日用品に含まれる有害化学物質
合成界面活性剤( ノニルフェノール ・ ラウリル硫酸ナトリウムなど)、乳化剤( ポリエチレングリコール ・ プロピレングリコール ・ ジエタノールアミン ・ トリエタノールアミンなど)、酸化防止剤( ブチルヒドロキシアニソールなど)、保存料( パラベンなど)、紫外線吸収剤( オキシベンゾンなど)、染毛料( パラフェニレンジアミンなど)、着色料( タール色素)
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吸収されやすい身体の部位
身体の部位によって経皮吸収されやすいところと、そうでないところがあります。腕の内側を1とすると、額では6倍、背中は17倍、生殖器は42倍です。
経皮吸収された化学物質は身体のどこに溜まりやすいのか
経皮吸収された化学物質は脂に溶けやすいため、体中の細胞に取り込まれますが中でも脂肪組織に蓄積されます。体の部位では皮下脂肪・内臓脂肪だけでなく、脳(60%が油脂)・精巣・卵巣・乳房などの脂肪の高い組織に多く溜まります。
経皮毒が子供の世代に
子宮、卵巣、精巣などに蓄積しやすい化学物質は子供にも影響を及ぼすと考えられていて、母親の羊水や胎盤を通じて子供に移行していくそうです。昔と比べ、集中できない子供、アレルギーの子供が増えている原因の一つと考えている専門家もいます。
経皮毒と関連付けられている病気
アトピー性皮膚炎、精子の減少、卵巣嚢腫、子宮筋腫、子宮内膜症、乳がん、子宮癌、認知症、アルツハイマーなど
特に気をつけたい日用品
化粧品、基礎化粧品、ハンドクリーム、台所洗剤、シャンプー、リンス、カラーリング剤、入浴剤、歯磨き粉、アセトン。人工香料、柔軟剤、静電気防止用剤、生理用ナプキン、タンポンなど
化学物質を肌から吸収している
「におい」のあるものはすぐに気が付くことができますが、私たちは「におい」のない化学物質を知らないうちに肌から吸収していることに気づいていません。「経皮毒」と呼ばれる概念は、「日常使われる製品を通じて、皮膚から有害性のある化学物質が吸収されること」です。
物質の成分は薬を飲んだときと同じく、経皮吸収された後に血液に乗って全身へ行き渡ります。シャンプーやリンスは入浴時に使いますが、温まった身体の皮膚血管は拡張しているので、経皮吸収率は更に上昇します。
生殖器は腕の40~50倍の経皮吸収率
経皮吸収率は場所によって異なります。腕の吸収率を1とした場合、足の裏0.14、手の掌0.83、背中1.7、頭部3.5、脇の下3.7、おでこ6.0、頬13・0、男性の陰嚢42・0、女性の陰部50.0、というデータがあります。注目すべきは陰部で、格段に高い吸収率を誇ります。
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