その悩みは「解決しなければならないもの」なのか・・・

悩み

人間関係から仕事、将来、自分の性格、他人の評価まで、誰しも悩みを抱えて生きているが、「悩み方」を知らない人が多過ぎる・・・

あなたは悩みがあったときに、どうしているだろうか? 何とか自分で解決しようとしたり、家族や友人に相談することもあるだろう。または放っておくこともあるかもしれない。

しかし、これらの悩み方は全て「やりがちな勘違い」であると、「質問家」の河田真誠氏は指摘する。問題は「悩み」そのものではなく、「悩み方」を知らないことだという。

河田氏は企業研修や小中学校の授業で、生き方や考え方、働き方といった人々の悩みを、質問を通して解決に導く「しつもんの専門家」だ。

「悩みは幸せの種」と断言する河田氏は、このたび『悩み方教室――心のモヤモヤが晴れる8つの質問』(CCCメディアハウス)を出版した。人間関係から仕事、将来、自分の性格、他人の評価まで、あらゆる悩みをスッキリさせる方法を具体的に記した一冊だ。

「いい質問」で、悩み方を変えることができる

なんだかずっとモヤモヤしているという経験は、誰にでもあるだろう。しかし、これは自分でも何に悩んでいるのか分からなくなっている状態がほとんどだという。

逆に、そのモヤモヤの原因を言語化できさえすれば、「そんなことで自分は悩んでいたのか!」と、ほとんどの悩みは解決してしまうと河田氏は指摘する。だから、問題は「悩み」そのものではなく、「悩み方」なのだ。

とはいえ、悩んでいるときに冷静かつ客観的になることは難しい。同じことをずっと考え続け、出口の見えない迷路にいるような感覚に誰もが陥りがちになる。

しかし河田氏によれば、視点を少しずらし、今まで自分に見えていなかったものが見えてくるような「いい質問」をすることによって、悩み方を変えることができるという。

河田氏の質問メソッドは次の8つの質問のみ。

まずは、これらの質問を単独もしくは組み合わせて自問し、その答えを紙に書き出していくことで悩みを言語化していく(この実際に「書く」ことが、実はとても重要)。

8つの質問

  • 質問1. 今、どんな悩みがありますか?
  • 質問2. それは、何が問題ですか?
  • 質問3. 今、どんな状態ですか?
  • 質問4. どうなったら、最高に嬉しいと思えますか?
  • 質問5. 原因は何だと思いますか?
  • 質問6. どうすれば解決できますか?
  • 質問7. まずできることは何ですか?
  • 質問8. どうすれば、もっとワクワクできますか?

例えば、仕事(学校)の悩みに直面したときに、「この仕事(学校)でいいのか?」や「他にいい仕事(学校)はないかな?」と悩む人は多いだろう。

しかし、それでは「その仕事(学校)を辞める/辞めない」という答え以外の結論を導き出すことは難しく、結局は同じ問題についてずっと悩み続けることになる。なぜなら、どちらの結論を選んでも自分が変わらないからだ。

この場合、8つ目の質問「どうすれば、もっとワクワクできますか?」を応用し、「自分はどう生きていきたいのか?」「人生をどんな時間で埋め尽くしたいのか?」という質問を自分に問いかければいい。

その質問によって、心の奥底にずっとしまっておいたことや、自分でも思ってもいなかったことを浮かび上がらせ、「その仕事(学校)を辞める/辞めない」以外の答えや考え方を導き出すことができる。それにより、現状を変える行動につなげることもできるのだ。

つまり、自分にいい質問をしないと悩みの本質は見えてこないし、解決のための新しい行動も生まれてこないということだ。

悩めば悩むほど自分らしく、幸せになる

そもそも悩みは「解決しなければならないもの」と考えがちだ。実際、解決のための「正しい答え」がネットや本、自己啓発セミナーなど巷にはたくさん溢れている。

しかし、「悩みは、解決することだけが答えじゃない」と河田氏は言う。

悩みとは、解決する以外にも、「解決しない(受け入れる)」方法もあるし、よりよく生きるために「悩み続ける」方法、自分のこだわりから自由になることで「悩まない」方法もあり、これらは全て等しく悩みとの付き合い方であるという。

そもそも、弱い自分を見せたくないと、悩みを抱えていること自体を秘密にしている人も少なくないが、悩むことは恥ずかしいことでも、後ろめたいことでもない。

悩みこそが人生を豊かにする「糧(かて)」であり、人は悩めば悩むほどに自分らしくなり、自分なりの幸せを見つける近道になることも、本書で強く指摘されている。

コロナ禍で、悩みを聞いてもらうために友達や家族と会うこともままならない今、不安や悩みを一人で抱えている人は多いかもしれない。

もしも自分の悩みに対する1つの「正しい答え」がすぐに欲しいのであれば、本書は望むような内容ではないだろう。

だが大切なのは、自分がぼんやり考えたり、モヤモヤと悩んだりしていることを言語化するヒントや、自分が納得のいく解答だ。なぜならその悩みは「解決しなければならないもの」でないかもしれないのだから。

【ニューズウィーク日本版ウェブ編集部】

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